名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる / 太田忠司
【文庫本】
名古屋めし満載の大人気ミステリー「喫茶ユトリロ」の第二弾!
鏡味龍が名古屋に暮らして一年半が経ちました。
ある日学食で龍は、ウェブ編集者の平野里央から、「こんなに美味しそうにきしめんを食べるひと、見たことがない」と、「名古屋めし再発見」という連載のモデルに勧誘される。
ひつまぶし、おこしもん、生せんべい、インディアンスパゲッティ……
商品ストーリー
以前にご紹介した太田忠司さんの小説『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』。
シリーズ第2弾がありました。
『名古屋駅西喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる』
作:太田忠司
出版:ハルキ文庫
東京で生まれ育った鏡味龍(とおる)。
父方の祖父母の家に下宿し、名古屋大学医学部に通いはじめました。
祖父母は名古屋駅西の商店街で喫茶店『ユトリロ』を営んでいます。
祖父の正直は2代目店主。地元密着のお店です。
龍は馴染みのお客とも懇意になり、いつしか(半ば押しつけで)
お客の周囲で起こる、名古屋めしがらみの不思議な事件の相談に乗るようになります。
そして友や知人の助けを借りるものの、その解決の糸口を見つけていきます。
というのが第1弾のお話。
さて。
名大医学生になって1年半が経過しました。
ある昼のこと。
名大の学食に昼ご飯を食べに行った龍は、「きつねきしめん」を注文してみました。
名古屋にきて初めて口にしたきしめんはとても美味しく感じ、大きな満足と共に食べ終わりました。
我に返ると、龍の近くで同じく食時をしていた一人の女性と目が合いました。
若い女性ですが、学生ではなさそうな雰囲気です。
あまりにもじっと見つめられるため、思い切って龍が声をかけてみたところ、
「お願いがあります。」
「モデルになってください。」
「雑誌のモデルになってほしいんです。」
唐突な女性の申し出に訳が分からず目を白黒させた龍。
何でもその女性はNAGOYAを世界に発信するWebマガジン『DAGANE!』の編集部に所属しており、
名大のOBでもあるため、時折名大の学食に出入りしているそうです。
『DAGANE!』で「名古屋めし再発見」のコーナーを受け持つことになり、名古屋めしを実際に食べる姿を
写真に撮れるモデルを探しており、龍のきしめんを食べる姿にビビビッ!ときて、交渉してきたのですが・・・。
きしめんを食べる龍の姿は雑誌に掲載されて、思った以上に高評価の反響を得ます。
雑煮、生せんべい、おこしもん・・・と次々に名古屋めしを取材していきます。
編集の女性:平野理央ともに行動する時間が増え、一見順調のようですが、
理央にはどうやら触れてはいけない部分があるようで、時として龍は地雷を踏んでしまい、
理央にからまれるようになり、両者に不協和音が生じるようになります。
それに加え医学部の2年生にもなると、講義の内容も本格的になり解剖実習も始まります。
献体のご遺体を解剖する時、龍の心はいつも不安定に。
ユトリロの常連客からは、龍が優秀なお医者になれると、折に触れプレッシャーをかけられてもいます。
でも、いつまでたってもホルマリンの匂いに慣れることが出来ない。
「このご遺体は見ず知らずのこんな若者に切り刻まれてよいのだろうか?」
「自分はそれに見合う人間なのだろうか。」
何でもそつなくこなし、将来は小児科医になりたいとすでに目標を設定している友人の駿と
自分を比較して、悩む龍なのでした。
今回も名古屋めしと名古屋の名所が詰まっています。
先回以上に龍クンに焦点があてられた構成になっています。
さて、先回名古屋の代表格にあげられる食べ物でも
本当にいつも地元の人間が食べているわけではない的なことを書きましたが、
今回この本に登場する「きしめん」もわが家ではあまり登場させたことはなく、外食でも
あまり食べていない。
折に触れて親戚に送る品は、いつもきしめんが定番にもかかわらず。
嫌いではなく、むしろ好きなのですが、普段口にしないのはうどんやそばのほうが売値が安いから。
きしめんって結構高いんです。
乾麺は15,6分ゆでなくちゃいけないので、時間がかかるため敬遠してしまうし。
ですが今回きしめんの生麺を使えばいいじゃないか!といことで、この本を読んで触発されて作りました。
生麺は日持ちはしませんが、5,6分でゆで上がるのです。
うどんとはまるで食感が違う。
薄く平たいので唇や舌の上を通るとき、ぺたたたた、と踊るような感覚があるのだ。
(本文より)
自分も確かに最初に食べたときは衝撃だったなぁ。(生粋の名古屋近隣人間ではなかったので)
ぺたたたた 斬新でいい表現です。
本に触発され、食欲が刺激され、献立のヒントを得る。
こういうこともあるんですね。
繊細で純な龍クン。
近所のおばちゃん的感覚で、応援して見守りたい存在です(笑)。
母親だったら、さぞやヤキモキするだろうなぁ・・・。
ということで
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