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さつまいもに人生を捧げて28年!新潟の農業を支えるさつまいもマニア

――さつまいも子さん
マルシェル1周年記念としてはじまりました、注目のクリエイターズインタビュー。今回は、さつまいもマニアとしてTVやメディアでも活躍されている新谷(あらや)梨恵子さんです。 活動のきっかけやそのベースにある想い、今後の展望などについてお話をうかがいました。

――まず活動名を教えてください。

「さつまいも子」といいます。15歳のときにさつまいもの魅力に気づいて以来、さつまいもに人生をかけています。

――15歳の頃から一途にさつまいもを愛しつづけているとは驚きです。何がきっかけだったのでしょうか?

近所に売りに来ていた焼き芋屋さんが言っていた、「さつまいもには心がある」という言葉が心に刺さったんです。おいしさはもちろん、見た目の可愛らしさや頑張って甘くなろうとしている健気さに魅力を感じました。

それから「さつまいもで町おこしをしたい」と思い、新潟に嫁ぎました。農業法人でさつまいもを栽培しながらお菓子作りをはじめ、さつまいもに人生をささげてかれこれ28年になります。
 

――現在までの経緯について教えてください。

――現在までの経緯について教えてください。
新潟県小千谷市(おぢやし)に嫁いだ当初は、「さつまいもで町おこしなんて……」と地元の方々に心配されましたね。それでも志を貫き、10年間ひたすらさつまいも事業に携わりました。

その頃から日々の活動をブログにつづっていました。自分のためのブログというよりは「さつまいもの研究をさせてくれる会社の宣伝をしたい」「さつまいもの研究について発信したい」という想いからでした。

そして5年前に一念発起し、独立、起業しました。現在は「さつまいも農カフェきらら」の運営や、農プロデュースにも携わっています。
 

――農プロデュースとはどのような活動でしょうか?

――農プロデュースとはどのような活動でしょうか?
農作物を流通させる仕組みづくりなどのアドバイスをしています。「6次産業化プランナー」という役割です。生産者、加工業者、販売業者の三者をよく理解し、生産物の付加価値を高められるよう地域の方と協力しながら取り組んでいます。

そのほかにも、規格外の野菜の加工から商品化を行う「きららベジファクトリー」事業や、農業の営業代理業、人材派遣業などにも携わっています。
 

――幅広く活動されていますね。さつまいも愛以外にも新谷さんを突きうごかす何かがあるのでしょうか?

――幅広く活動されていますね。さつまいも愛以外にも新谷さんを突きうごかす何かがあるのでしょうか?
全ては「農業やさつまいもで新潟を元気にしたい!」という想いからはじまっています。関わってくださる全ての皆さんに「さつまいもっていいな」「農産物の可能性って無限大だな」と思っていただくことが目標です。

――そのような活動の中で、印象に残っているエピソードはありますか?

ブログをはじめた当初は、インターネット検索で「さつまいも」というキーワードに引っかかる女になりたいと思っていました。今では本当に「さつまいも 愛」と検索すると、トップに私が表示されるようになったんです。これは感慨深いですね。

そのおかげでTBSテレビの「マツコの知らない世界」や田中みな実さんのラジオ番組にも出演させていただき、私のさつまいも愛を多くの人にお伝えすることができました。


――メディアへの出演を果たし、反響も大きかったのではないですか?

地元の方々から「小千谷を有名にしてくれてありがとう」と言っていただけました。その言葉を聞いて、心底続けてきてよかったと思いましたね。

――順調にここまで進んできたように見えますが、辛かった経験はありますか?

都会からきたアドバイザーに「新潟ではさつまいもで町おこしなんて無理だ」と言われたことでしょうか。「さつまいもプリンなんて売れるわけがない」とまで言われたこともあります。その悔しさがバネになり、今の私がいるのかもしれません。

――エネルギッシュに活動し続けるために心がけていることやモットーがあれば教えてください。

「やると決めたらやり続ける」「がむしゃらに生きることは決して恥ずかしいことではない」「できないのではない、やらないのだ」という信念のもと、目標や理想を追いもとめることですね。
 

――マルシェルで販売されていた「さつまいも食べ比べセット」が、2月の一番人気商品になりました。実際の購入者さんからの反響はどうですか?

――マルシェルで販売されていた「さつまいも食べ比べセット」が、2月の一番人気商品になりました。実際の購入者さんからの反響はどうですか?
「マニアックなさつまいも食べ比べセット」には、「こんな詰め合わせが欲しかった」とたくさんの方からうれしいコメントをいただきました。
今は、セットの中でも特に甘い「超熟成紅はるか」のみを入れた、2㎏と4㎏のセットを販売中です。最近のねっとり焼きイモブームの代表的な存在で、とっても食べやすいので、こちらもぜひいろんな食べ方で食べていただきたいです。

――今後の予定はありますか?

コロナ禍でもご自宅でおいしく焼き芋を食べていたくため、「焼きイモソフトクリーム」の通販を開始する予定です。これはカフェの人気メニューで、現在は冷凍の状態で直販も行なっています。さつまいもをレンジで温め、その上に冷たいソフトクリームをのせて食べると絶品ですよ!
―焼き芋ソフトクリーム
 

――おいしそうですね。他にもおすすめのお取り寄せメニューはありますか?

同じくカフェの人気メニューである「焼きイモピザ」です。こちらも近日中に通販をスタートします。大きく育ち過ぎて規格外になってしまったさつまいもを活用したメニューなんです。

輪切りにしたさつまいもをピザ生地に見立て、表面にソースを塗りチーズをのせて焼いています。ソースの種類はトマトソースやホワイトソースなど、さまざまなものをご用意しています。通販では"レンジで温めたらできあがり"という状態で発送する予定です。「紅はるか」などのほどよく甘いねっとり系のさつまいもと、ソースやチーズの塩味との"甘辛のマリアージュ"を楽しんでいただけます。
――おいしそうですね。他にもおすすめのお取り寄せメニューはありますか?

――今後の目標はありますか?

現在、子ども達に小千谷市の農作物について特別授業をさせていただくことがあります。今後は農プロデュース活動についても、将来を担う子ども達に伝えていけたら……と思っています。

たとえば一度にたくさん収穫できる枝豆は、1日で身が太ってしまいます。すぐに処理をしないと、一般的な枝豆として販売できない「規格外」の状態になってしまうのです。そのような農作物も加工すれば、栄養価やおいしさを維持したまま冷凍食品として商品化できます。

こういった農作物の裏側や、問題の解決方法を伝えていきたいですね。

――それは素晴らしい目標ですね。新谷さんのような考えを持つ方が、今後増えていくのではないでしょうか?

私自身も一人の母親です。今の子ども達が大人になる頃には世の中が様変わりして、これまでとは違うスキルが必要になるのではないかという危機感があります。

ただ全ての仕事に共通するのは、「困っている誰かの役にたつこと」や「足りないものは何かを考え解決していくこと」だと思うんです。そうやって「誰かを幸せにすること」が仕事なんだということを伝えたいと思っています。

私が携わっている全ての業務は、そのような意識からスタートしました。今の子ども達が社会に出たときも、足りないものは何か、どうしたら補えるかについて考えてくれるとよいなと思っています。
 

――これからチャレンジしてみたいことはありますか?

さつまいものグラビア写真やプロモーションビデオを出したいと思っています。さつまいもをひたすらいろんな角度から見るといったマニアックさを伝えたいです。「さつまいも愛が強すぎるお店」としてYouTubeでの配信も行っているので、盛りあげていきたいですね。

――興味津々です。そういった新谷さんならではの発信は、これからも話題を呼びそうですね。

作家活動をされている多くの方は、ブログやSNSを上手に活用していますよね。それはその活動の背景に伝えたい「想い」があるからだと思います。マルシェルはその「想い」を多くの方々へ届けられる、とても素敵なツールです。

――今後同じようにオリジナル商品制作などをしようとしている人へ一言メッセージをお願いします。

作家活動をはじめようか迷っている方や上手くいかなくて悩んでいる方には、私の実体験を通してエールを送りたいですね。「自分が思っている以上に、あなたの取り組みに興味を持ち、共感し求めてくれる方がたくさんいます。そう信じて頑張ってください!」と。
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■Profile:
さつまいも子
新谷 梨恵子(あらや りえこ)
新潟県でカフェ「さつまいも農カフェきらら」を運営。
「マツコの知らない世界」でさつまいもマニアとして出演。
さつまいもプリンを開発、専務取締役を経て2015年独立・起業。
新潟県初6次産業化プロデューサーとして「㈱農プロデュース リッツ」創業。規格外の野菜の加工から商品化を行う「きららベジファクトリー」の運営や農業の営業代理業、人材派遣業も行う。

▶ブログ:https://blog.goo.ne.jp/ritz5323
▶出品物一覧:https://marchel.goo.ne.jp/ritz5323