――まず活動名を教えてください。
「世界にひとつだけの私らしい作品をお届けしたい」という想いを込めて、「kana style handmade」という名前で活動をしています。
――レジンに興味をもったきっかけは何だったのでしょうか?
旅先で満天の星空のような輝きを放つアクセサリーを見つけたんです。その美しさに心を奪われ素材を調べたところ、レジンでできていることがわかりました。ハンドメイド自体はもともと好きだったので、その後も作り方や素材について情報収集していました。
――運命的な出会いだったのですね。
調べているうちに、資格がとれる通信講座の
「PBアカデミー」の
LEDレジンアクセサリー講座のページにたどりつきました。自分のペースで学びながら認定講師の資格を取得できるということで受講してみたんです。教材が充実していてサポート体制もしっかりしていたので、不安なく学ぶことができました。その後作家として活動をはじめ、2年ほどになります。
――もともとハンドメイドの講師として活動したいという夢はあったのでしょうか?
具体的には何も考えていませんでした。PBアカデミーでスキルを身につけていくうちに「講師として活動してみるのもよいかも」とぼんやり思うようになりました。
――認定講師の資格を取得されたときの気持ちはいかがでしたか?
>とにかくアクセサリーを作ることが楽しくて、この魅力をたくさんの人に伝えたいという想いが芽生えました。
ハンドメイドのイベントやバザーなどに出展した際は、作品に対する想いを直接お客様へお伝えできることに喜びを感じました。お客様からは「ありがとう」という言葉をいただけて、とても幸せな気持ちになりましたね。同じく講師をしている仲間とも制作の楽しさやレジンの美しさを共有でき、とても充実した時間でした。
――お客様から直接よい反応がいただけると喜びも倍増しますね。さまざまなアイテムを作られていますが、制作過程で何か心がけていることはありますか?
作品がイメージ通りにならないときは、少し考える時間を設けるようにしています。場合によっては数日間クールダウンの時間をとり、リフレッシュします。
3人の娘の子育て中ということもあり、時間をつくること自体が難しいこともあります。そういうときは短時間でできるパーツの制作を進めるなど、工夫しながら手を動かしています。
――3人のお子さんの子育てと作品づくりを両立させるコツはあるのでしょうか?
子供たちが学校や幼稚園でいない日中を中心に制作しています。レジンの作業をはじめるとあっという間に時間が過ぎてしまうので、オン・オフの切りかえには気をつけています。
3人とも女の子なので、一緒に作品づくりを楽しむことも多いです。子供ならではの目線で「○○色が好きだから○○色にしたい!」などと意見をくれることもあるんですよ。
――お子さんも一緒に楽しんでいるのですね。作品の販売をはじめる前と後で、心境の変化はありましたか?
販売をはじめる前は、自分が作ったものを「見てもらいたい」という気持ちが強かったです。今は作品を見てくださった方から「欲しい」「かわいい」といったお言葉をいただけるようになり、それがやりがいにもつながっています。
先日アクセサリーやマスクチャームをご購入いただいたお客様から「とても素敵な商品が届きました」「マスクが欠かせない生活の中で、チャームをつけて気分転換しています」というお声をいただき本当にうれしかったです。これからもお客様の笑顔のために活動し続けていきたいと思いましたね。
――まさにプロの作家としての心境ですね。
「何か作らなきゃ!」と焦れば焦るほど上手くいかず、ただ時間だけが過ぎてしまう……そんな日もあります。とくにレジンは素材として表現できる幅が広いので迷うことが多いです。でもそこに面白さも感じるんです。常にポジティブに学び続け、これからも作品づくりを楽しみたいです。今後はワークショップなどの活動をもっと増やしていきたいですね。
――kanaさんならではのレジンの魅力の引き出し方に注目ですね。そんな中で今イチオシの商品は何でしょうか?
「バラのいちご風ピアス」です。バラのつぼみは丸くてとてもかわいいのですが、咲いている花ばかりに目がいきがちですよね。この状況を「もったいない!」と思い、透明なレジンでつぼみをコーティングしました。とてもデリケートでコーティング中に花びらが取れてしまったり苦労しましたが、つややかに美しく仕上げられました。
――つぼみをそのままアクセサリーにするというアイデアが素晴らしいですね。
神経を使う作業も多いですが、リラックスして制作するよう工夫しています。音楽を聴きながら作業をすることも多く、最近は
PBアカデミー監修のプレイリストを愛聴しているんですよ。
――今後作ってみたい作品はありますか?
今1番作りたいのは3段のケーキスタンドです!
最近ですが、インアリウムレジンアクセサリーディスプレイコースを受講し、講師の資格を取得しました。今後はこの資格を活かして小さい作品から大きい作品まで幅広くチャレンジしていきたいです。
――インアリウムレジンについて詳しく教えていただけますか?
インアリウムとは「IN(中に入れる)+arium(空間)」から成る言葉で、「大切なものをレジンに閉じこめる」というコンセプトのもと生みだされた手法です。
硬化剤と主剤を混ぜて固める2液性のエポキシレジンで硬度が高く欠けにくい性質があります。
UVレジンの場合、固まる際に発生する熱で変形してしまう事がありますが、インアリウムはゆっくり硬化してくれるのでその心配も要りません。色をつけて模様で遊んでみるのも楽しいです。
また、インアリウムレジンは黄変しにくく、気泡も入りづらい事が特徴です。
――硬度以外にもUVレジンと違う魅力があるのでしょうか?
透明感が抜群なところですね!お花の魅力をそのまま閉じ込める事ができます。それから、アクセサリーディスプレイや掛け時計など大きな作品はもちろん、小物入れなど実用性あるオリジナル作品も作れます。
また数日間かけてゆっくりと硬化していくので、固まっていく過程で手直しができるところも作り手にとってはメリットといえます。
――ますます制作の幅が広がりますね。最後にこれから作家として活動しようと思っている方にアドバイスをいただけますか。
何を作ろうか迷ったり、他の作家さんと作風がかぶってしまわないか不安になる事もあると思います。しかしどんな時でも自分に自信を持ち、好きな物を楽しんで作る事が次につながるはずです。独自の世界観を大切に作品の魅力を伝え続けてほしいです!